2000年7月18日 剣山〜三嶺



2000年7月26日に黄色いテントに初投稿した記事を再編集しています。


岡山の自宅を午前0時出発、宇野から高松へフェリーで渡る、
瀬戸大橋の半額、往復5000円ですむので時間がかかるが
フェリーを利用する人も多い。高松から193号線、438号線を走る。
四国はトラックが少なくて快適なドライブが楽しめる。

438号線の狭い急カーブを深夜走る自信がなかったので明るく
なるまで広くなった所へ車を止めて休憩することにする、しかし
ここで大きな失敗をしてしまった。目がさめたら5時半、完全に
夜が明けている。大慌てで車をとばす、結局見の越に着いたのは
7時前、準備もそこそこに登山道に取り付く、今日の長丁場を考えると
1時間の遅れはきびしい、行程を短縮するか悩む、とりあえず剣の頂上をめざす。

ちょうど1年前同じコースを歩いた時頂上ヒュッテの新居さんに
6時間で行けると言われたがガスの舞う稜線で道を失い難渋して7時間をかけている。
さらにその時はヒュッテに泊まっているのだ、バスの廃止もあって
今日は車で来て日帰りの強行軍たいへんなことになった。

頂上に着いて三嶺方向を見れば薄くガスがかかっている、しかし朝食を
とっているうちにすっきり晴れ渡った、次郎笈、丸石、高ノ瀬遠くに三嶺、ファイトが湧いてきた、
よし、行こうコースが全部見通せる、こんなチャンスは二度とないそれに帰りのバスの
心配をしなくていいのだ。

次郎笈はトラバース道を行く、丸石との鞍部までは刈り払いがしてある。
鞍部から笹原をかき分けていく、深い所は胸まであるがさほどの抵抗もなく丸石の頂上に達する。
剣から1時間の行程だった。

一服していると高ノ瀬の方から青年が現れる高ノ瀬までピストンをしてきたそうだ。
丸石避難小屋から高ノ瀬避難小屋までは刈り払いがしてあると教えてくれた。
道には所々トゲアザミが咲いているがほかの花はあまり見当たらない。伊勢の岩屋
分岐を新居さんのアドバイスどおり稜線通しの道をとる。高ノ瀬まで丸石から1時間だった。

ここから先、笹丈も高く歩きづらい泳ぐように進む、迷うようなことはないが
昨年は位置がつかめず非常に不安だった。今年は快調に進む天候がよいとこれほど
違うものか、1732メートルピークは笹に覆われ魅力的にみえるが道は傾斜している上に
稜線の南側についているので風が通らず暑い。歩きにくい道を稜線に出ると一面の笹原に出る、
三嶺が目の前に見えてこの縦走路で最高の所だ。ここで大休止とする。

高ノ瀬から40分の所だ。ところで単独行なのに名頃から見ノ越までどうするか
疑問に思っていると思う、とりあえず最後まで読んでください。

ここから先もブッシュが深く歩きづらいが1701メートル峰と1692メートル峰の鞍部
あたりから刈り払いがしてあり歩きやすくなる。白髪避難小屋まで大休止した所から
50分を要した。ここから白髪分岐への道は昨年迷って白髪山方面へ踏み込んだ所だ。
今年は分岐方向へ刈り払いしてあり問題ない。このあたりからコメツツジの
可憐な白い花が目に入る。しかしまたブッシュが深くなり韮生越への急な下り、カヤハゲへの
登り返し花を見るよゆうがない。三嶺への最後の急登は鎖場で足場の杭が
崩れて折り重なっている。鎖につかまり最後の力を振り絞って頂上へ飛び出す。

小さくなった剣山、次郎笈を見ながらよくぞ歩き通せたとしみじみ思う。白髪避難小屋から
1時間半を要した。見ノ越から休憩をいれて5時間半の行程だった。
三嶺付近のコメツツジは花が終わっている。頂上小屋は完全に解体されて再建用の
資材が置かれている。新しい小屋が待ち遠しい。2時間かけて名頃まで出る。

いよいよここからが勝負だ車が来るのを待つ。ヒッチハイクは初めての経験だ
止まってくれるかどうか見通しはないが、歩いて帰れないわけではなし気楽にかまえる。
ところが車が全然こない。しかたないので見ノ越に向けて歩く、疲れ果てて足が重い。
1時間近く、後少しで奥祖谷かずら橋あたりでやっと1台きた、必死で手を振る、止まってくれた。

徳島のご夫妻、快く乗せてくれた。乗ったとたん両足の太ももにけいれんがきた、
限界でした、歩けばまだ2時間以上かかる所でした。苦しかった山行でしたが久しぶりに
持てる力を発揮できて満足です。


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